ある15歳の経路/小林レント讃1/渡邉建志
 
てくりかえしによる歌がある。それらのゆりかごに揺られているうちに、ふとした落とし穴が控えている(一つ 寒天質の冷たい音が/香った)。落とし穴の底から霧が発生してくる。その霧の解釈はもはや読者にゆだねられている(その濃さ、その時間の長さ)。すべてを語りきらないこと、論理性の穴から発生してくる霧のことを詩情と呼ぼうと、初めて彼の作品を読んだときに僕は勢いいさんで宣言したぐらいだった。



■沈黙の部屋 http://www.rondz.com/poem/poet/6/pslg5534.html#5534

赤の発作。その沈静。その結合。その谷間の幅。「何も無くなったのだ/ / /全ては静
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   グループ"フレージストのための音楽"
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