ある15歳の経路/小林レント讃1/渡邉建志
は静かに進行していた」。霧。
それでいて僕は頑張っている。可愛らしいほどに頑張っている。「僕は部屋の中心に居て/天井や 壁や いろんなものが/僕を押し潰そうとしないか見張っていた」。
『僕の時間はこの部屋が止まっていることで生まれる』
『この部屋の時間は僕が動くことで生まれる』
意味のない相互関係
あるいは一人で延々と続けられるパントマイム。画面には彼と彼(自身)しかいない。或いは見張り或いは会話する。パントマイム的に。「嘘」におけるセロハンテープで止められたカマキリの喩えもまた無言のパントマイムであったのだろう。一つ一つのパントマイムの孤立性。時間的孤立。空間的孤立。たぶんどちらも。
(続く)
2005/7/31,8/1,2,3,4; 9/30改稿
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