因数分解中毒者のために/小林レント讃2/渡邉建志
 
ーがたまらない。そもそもいったいどうやって登ったんだ。平凡な犬のことも忘れていないぜ、というレントくんの愛が感じられる。僕と平凡な犬が一緒にポプラの樹の上に顔を出している絵は愛らしくてたまらない。樹から二人が見下ろすと、

空き缶は内側に射精を繰り返す

というのが最後の山である。空き缶は暑さのためについにイってしまう。イくのはレント作品のひとつのモチーフになる。内側というのもまたひとつのモチーフだ。それにしても、射精は外側にすべきものなのに、内側にしてしまう自己相姦(?)がたまらない。それはものすごく気持ちが悪い感覚だと思う。ぜったい気持ちい
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