因数分解中毒者のために/小林レント讃2/渡邉建志
だわりはじめるところで、おかしな単語と言うのは言われるたびに楽しいものですね。いちばんいいのが次の、やっぱりちょっと踏ん張った会話
因数分解中毒者が
どこに在るのかは知らないがね
たまらない。知らないがね。この語感。僕はちょっと偉そうである。相手が平凡な犬だからね。「たまにはよいかな」とか言う。この詩のクライマックスは次である。
僕は因数分解中毒者が
どこに在るのかを探しに
ポプラの樹の上にのぼった
平凡な犬も一緒にのぼった
ここである。忘れたころにでてくるこのキャラクターが
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