因数分解中毒者のために/小林レント讃2/渡邉建志
く好きな聯がくる。
一本足で歩く
平凡な一匹の犬が寄ってきて
僕に訊ねた
たまらない。だけで済まして次にいくほうがかっこいいが、今回は体面とか文体とかかっこよさとか無視してたくさん話すのだ。まずこの一歩足で歩く、がいい。どうやって歩くのか、それはそもそも歩みなのか。不思議である。次に平凡ときた。一本足が平凡なわけがない。矛盾である。これはたぶん一本足にも関わらずあまりにも平凡なので一本足でも平凡な犬なのだろう。ここで重要なのは、「一本足で歩く/平凡な一匹の犬」と書かれただけで、僕らはいろんなイメージを勝手に抱き始めると言うことだ。そして
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