生前と死後のあいだで/小林レント讃3/渡邉建志
である。これはおもねりでもひがみでもない。
その後で
僕は一匙すくったコーヒーを
眼に 入れた
瞼と眼球のはざまで
コーヒーは揺れた
その不明瞭な深み。に
足をとられて
僕は一匙のコーヒーを助けようと
して
瞬いた が
イメージがすごい。いったいどこから、深さ。や、コーヒーの点眼が出てくるのか。まったく参る。
形式としては歌詞だと思う。それが、ポップなかんじを出している(最後の聯は最初のくりかえし)。最初の聯の内容の衝撃と、矛盾するポップなリズム。
かつて僕は詩を書きたかったわけではなかった。詩という形式が
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