生前と死後のあいだで/小林レント讃3/渡邉建志
 
えてみると、いろいろなものが浮かんで面白い。1聯はもちろん、ゆっくり音読して、馬の臍という表現の意外性とすてきさにやられるのですが、2聯のくりかえし構造+体言止を見落とすわけにはいかない。くりかえしによって例のおさな/かっこよさが出てきている。しつこいといわれるだろうが、ちょっと示してみよう。

どこかの公園で鳴る鐘の音
どこかの公園で
鐘の中に入って遊ぶ老人
鐘をつくのは子ども
街に住む
100人の子ども

くりかえしがかぎのように次の文章を開いていっているのが見える。なによりも、すべて体言止で、なんともいえない空白の沈黙があとに残
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   グループ"フレージストのための音楽"
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