生前と死後のあいだで/小林レント讃3/渡邉建志
 
増すのだ。彼は半分死んでいるけれど、それをもう認めている。じたばたしたりしない。静かな諦め。

締め方は、もう何もいえないです。老人のような、少年のような。つぶやき、呟き。秋の空。ほとんど痴呆の老人のような、今、そこにしかない、美しさをみる視線。


たとえば白昼の公園で、老人が子どもと戯れている。なにをするでもなく戯れている。(「それは笹の葉だよ」「SASANOHA?」「そう、これをこうしたら笹舟になるんだ・・・」「ササ/ブネ!」)その光景がなんだか不思議にうつくしいのは、同じ地上に死にゆくもの/生きにきたもの、この二者のつながりが、孤独なんて言葉も知らない/忘
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