生前と死後のあいだで/小林レント讃3/渡邉建志
 
を飲みながらのことであって
つまりは
気休め
それでもしばらく観察した後
その様子のないことを
僕の感覚は伝え
崖をのぼっていく水に
じっと
焦点を合わせた後
僕は本に眼を落とす
僕らはこの改行の多い文体にそって、ゆっくりと少年と歩みを合わせて歩いていく。青いプラスティック製(!)のベンチが見えるだろう。そして次の部分の美しさ。

 僕は
 そこに座って
 あたりの木々を見ている
 もしくは
 あたりの木々から落ちてくる
 不意の笑い声を
 見張っている

これは先ほどの「『笑い』と見せかけて『噛み殺した笑い』」と同じ、くりかえしと
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