生前と死後のあいだで/小林レント讃3/渡邉建志
 
−)
 笑いながら(+)
 あるいは
 笑いを噛み殺しながら(−)
 そこに
 消えていった(−)

「笑いながら(+)」から「あるいは」を経て「笑いを噛み殺しながら」(−)への、切り返しの何という鮮烈さ。前者の(初読では)明るい笑いと、後者の狂った笑い。「笑い」という共通の記号を介して、詩をダイナミックに展開させている。

そして、

 跡形もなく
 いや
 高く
 何処までも響き
 しかし一瞬で消えてゆく
 笑い声だけを
 夜に残して

この映像もまたすさまじいものだ。ここでも、さっきと似たような、+から−へ切り返して展開していくのと似た、矛盾しているよう
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