生前と死後のあいだで/小林レント讃3/渡邉建志
、ばたばたしなければ楽に死ねるのに、最後になって、自分が自分を制御できない状態を味わうと、かなりの人がパニックになるのではないだろうか、と想像する。もし、生から死へとデジタルに移行できるのならば怖くないのだけれど、たぶん、その間の、「もう生へは戻れない、だけど意識はある」という恐ろしい状態が、わりと長く続くのではないか。そして、そとから名前を呼ばれ、それは恐ろしい形に変形しているかもしれないにせよ、聞こえているのに、こちらからは「うん」とか「はい」とか、声に出していえない、どう頑張ってもそれだけのパワーが出ない、という状態というのは、ずいぶん有り得るのではないか。
深み。に沈むことからずいぶん
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