沈黙と怒り/小林レント讃4/渡邉建志
なか忘れられない。「走るん」と「だ」の間のスペースの。相変わらず間(MA)について。僕の声が聞こえる、息が聞こえる、さっきまで百科事典であったはずの僕の。焦りはクレッシェンドする。
雨の 底を 舐める コウモリの
指の 先に コイビトノカゲ 憑いて いるから
僕は コウモリの 指ごと 引きちぎって
コイビトノカゲを 食べて あげるん だ
息が荒くなっている。「コイビトノカゲ 憑いて いるから」。内容もはげしくなる。「コウモリの 指ごと 引きちぎ」るという。その激しさ。そしてなんとコイビトノカゲを食べてしまうのだ。「食べて あげるん だ
[次のページ]
前 次 グループ"フレージストのための音楽"
編 削 Point(3)