浸透と破水/キキ氏の作品について/渡邉建志
イメージを保ち続けるのだ。そしてそこに選ばれた「睡れん」ということば。
それから、長い息で読まれる場所と、
横たわったままの夜をすごして、あくる日には背びれが生えて夏の庭
にも睡れんが、
文節ずつで凍っていく場所
何もない。君の顔。
の自然な交代。淀みのような。とても美しい。そして、
浮きつ回りつ、
や、
「漕ぎだせば、月、ありあけ」
の、凍った時間のつながり。
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