浸透と破水/キキ氏の作品について/渡邉建志
 
イメージを保ち続けるのだ。そしてそこに選ばれた「睡れん」ということば。

それから、長い息で読まれる場所と、

横たわったままの夜をすごして、あくる日には背びれが生えて夏の庭
にも睡れんが、

文節ずつで凍っていく場所

何もない。君の顔。

の自然な交代。淀みのような。とても美しい。そして、

浮きつ回りつ、

や、

「漕ぎだせば、月、ありあけ」

の、凍った時間のつながり。
[次のページ]
   グループ"フレージストのための音楽"
   Point(6)