尾崎喜八「山の絵本」を読む/渡邉建志
しい光の射し込む朝の室の、卓に置かれたヴァイオリンの函のような小学校。あれが君たちの小学校だったのか。 p.18
「あれが君たちの小学校だったのか」って。知らないよ。とにかくたまらない。小学校についての喩えがすごい、「すがすがしい光の射し込む朝の室の、卓に置かれたヴァイオリンの函のような」ときたよ! 絶句です。
喜八さんはさらに歩き、そしてまた自然を褒め称える。
この天地の大いさは、そのままに見る者の気宇を大ならしめずにはいない。 p.35
すごい一文です。見る者の気宇を大ならしめずにはいない。使っ
[次のページ]
前 次 グループ"フレージストのための音楽"
編 削 Point(3)