尾崎喜八「山の絵本」を読む/渡邉建志
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そしてその翌日急に思い立って、ルックサックを引担いで山へ行かずにはいられなかったのも、今からすれば微笑ましい思い出である。
音楽の力ってすごいですね!
あとはアルルの女を聴いて南仏の山地をおもうとか、スカルラッチ(いやな表記だ)の音楽には希臘・羅馬風の典雅を感じ、地中海の丘陵地帯だ、とかいったあとで、いままでなぜか出てこなかった大物がやっと出てくるのである。
しかし何といっても気分や情緒に訴えてくる音楽でなしに(もちろん今まであげたものがそれだけのものだとは決しておもわないが)、作品自体の持った巨大な性格、雄渾な音の支配
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