尾崎喜八「山の絵本」を読む/渡邉建志
 
歌っていたものだ。きっと、自分自身を激励するためだったろう。

激しくやられました。激しく、やられました。こういう人が戦前にはきちんと存在したのだなあ…。わが祖母も戦時中苦しいときにはベートーヴェンを思い出して耐えたと言う。フルトヴェングラーが亡命しなかったのはナチスを善しとしたわけではない、ただただ国民を励ますためにベートーヴェンを指揮したのである。だからこそ戦中時代のフルトヴェングラーの演奏こそが、史上最高のベートーヴェンの演奏であると丸山眞男なんかは言っているのである。http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/416660
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