■批評祭参加作品■日本の詩における韻律の歴史/岡部淳太郎
 
 詩を書く時、詩を詩たらしめるために、韻律という要素は欠かすことの出来ない大きな要素となる。頭韻や脚韻などのいわゆる押韻とリズム、詩の音楽的な要素のふたつを合わせて韻律と呼ぶ。
 日本の詩の淵源が和歌や俳句などの短詩型文学にあることは明らかだ。それら七五調の形式と中国から伝わった漢詩、この二つが日本の詩のルーツのうちのひとつである。七五調のリズムが日本人にとって心地よいものであるという定説もあって、短歌や俳句はいまでも捨て去られることなく生きのびている。それに加えて、明治時代になって移入された西洋詩の形式があり、これは新体詩の運動を惹き起こして現在の現代詩の礎を築いている。この時期の島崎藤村の詩
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   グループ"第2回批評祭参加作品"
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