抵抗/伊月りさ
出口のない体を従わせています
この艱難を
慰める晴れ間は心地よすぎて
そろり、
エックス回目の脱出
背中には
気のせいのような
居場所
と呼んでいるのだが
穴のような
明日を内包した
きみとわたしとを辛うじて
渡る窮屈
見えますか、この勢い
情けなさは
怒濤、
押し流すのはわたしの些細な文明
そして
嗚咽を漏らして誤魔化そうとする
傲慢、
それを否定できないでいる
儘ならぬ足
引き摺っても沈んでいく光に
どうせ舞い戻る
こともわかっています
わたしを甘やかす腕は
わたしは甘やかされるので
「日なたが好き」、なんて
悪い手癖がまた
離れない
終わらなくて
言い訳のような
調子のいい平日の発言をしている
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