春が回ると想い溢れてどうにもこうにも目が回る/木屋 亞万
 



目薬は雛人形の味がした2月はとうに過ぎたというのに



いつまでもできませんもの咲く事は
濡れる事を恐れていては



ひらがなできみの名かけばやわらかに
漢字で書けばリアルに成って



全身のヘモグロビンが君の方へ行きたがってて逢いに来ました



スーパーでタバスコ3箱買っちゃって
レジ袋なんていらねえぜ夏



さみしがるサクラサク
来るもの拒まず
去るものちょっと追っかける春



空は晴れるために曇り
花は捨てられる為に散り
人は老いゆく



革命家目指す少年永遠に世界を変えてしまわぬように



人気などあってないようなものだから
バーゲンセールされているユリ



春が来て嫌な黄色に包まれる
花びらじゃなく子房を見てよ






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