思い出のクリスマスベストテン/しゃしゃり
 
赤い靴下は、十年くらい履いていた。)

第六位
三十三歳のクリスマス。
スナックのお姉ちゃんをデートに誘った。
もちろん店は稼ぎ時だから、とつぜん休んだりはできない。
それでも誘った。
僕は本気で、その子と結婚してもいいと思った。
とんでもない女だったが、それでもいいと思った。
(もちろん、誰でもわかる嘘で、僕はふられた。)

第五位
十四歳のクリスマス。
はじめて付き合った女の子。
同じ塾で、同じバスの帰りだったから、
公園に行って、なんかしゃべった。
ところが不良に見つかって、
ロケット花火で襲われて逃げた。
(次の年には、不良とおんなじことをしたけれど。)
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