白猫とお婆さん。/もののあはれ
 
き故郷の面影を思い出しては。
 溜息を着くような日々を送っていました。

 そんなモヤモヤとした心を身に纏いながら。
 どうやら小学校であろう狭い校庭を左手に眺め。
 十字路を右に曲がりました。
 すると雑貨屋さんの様なこじんまりとしたお店の前で。
 真っ白で毛並みの綺麗な猫が。
 ピョコリと座って身を丸めていました。

 店の前には煙草と飲み物の自動販売機。
 どうやらここは目当てであった煙草屋さんの様でした。
 ちらりと店の中を覗くと人気はありませんでしたが。
 棚には様々な煙草が積んであったので。
 間違いはなさそうでした。
 まあ、中に入るまでも無く。
 自
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