小詩集【ちいさなてのひら】/千波 一也
 
なく呼んでごらん
そういう類のわがままならば
世の中を溢れても
構わない、と思う
みんな同じなのだから
懸命に
許し合えるはずだと思う

この手は
いま此処にいる

意味するところはただ真っ直ぐに
この手は
いま此処にいる

それだけ確かに届けばいい




二、ちいさなてのひら

てのひらには
てのひらがあって

そのてのひらには
さらにてのひらがあって

ちいさなてのひらは
どこまでもさがしてゆける

かわいた てのひら
つめたい てのひら
ぬくもる てのひら
しめった てのひら

ちいさなはじまりが
いつも
ひとつの
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