詩人・一期一会 〜其の一・落合朱美詩集「思推」を読んで(上)〜/服部 剛
 


 今、僕の手元には、「思推(しゆう)」 落合朱美 という凛(りん)とした縦書きの
文字が記された一冊の詩集が置かれている。朱色一色の表紙には、
白い輪郭で描かれた一輪の薔薇の花が開いている。「思推」という
題は、読んで字の如く、落合さん自身が「詩作を通して今迄生きて
来た日々と、これからも続く道程の意味を推し量る」という意味で
あろうが、自らが主催する詩の投稿サイト「詩遊会」という言葉と
かけた題であると思われる。そしておそらくその言葉には「詩友」
という意味も含まれているのではないかと思う。

 僕が初めて落合朱美という詩人の詩を読んだのは数年前、仕事帰
[次のページ]
戻る   Point(11)