言葉の持つしっぽ(あるいは亡霊)について/白糸雅樹
なんだか制限が多くて、とても不自由なことに感じていた。
そんな気持ちが変わったのは、北川草子の第一歌集が出た頃、率先して編集に携わっていた植松大雄(北川本人は物故していたので、残された友人が歌の抽出にあたっていた)の歌に、北川作品へのオマージュを見た頃からかもしれない。
一見、二番煎じのように見えながら、北川作品を共有した読み手への信頼がそこには記され、自信と愛情に溢れていた。
そうだ。ここ現代詩フォーラムにおいても、ただ、「夜中に台所」と言っただけでぴぴっと繋がってしまう読み手と詠み手。そこには、夫婦のような連帯感がある、と思う。
なんと、豊穣な大地だろう。
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