「友情の像」/服部 剛
飲み屋を出たばかりの
ほてった頬(ほほ)を夜風に受けて
改札に入ってゆく
友の背中を見送っていた
気がつくと
「友情」という像の前に
僕は独り立っていた
「
肩を組み 胸を張り
二人三脚のように足を揃(そろ)えたふたりの青年
ひとりはおどけてボールに片足を乗せ
( このボールには夢がつまっているのさ・・・
ひとりは真面目(まじめ)そうに直立の姿勢で
( 信じる道を僕は行く・・・
ふたり並んだ腰の間に
埋まることのない隙間(すきま)が空いて
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