「友情の像」/服部 剛
 
いており 
   それぞれの目線はすでに 
   異なる明日をみつめていた

                          」 


今よりも若かった頃 
たやすく信じていた「友情」の二文字

やがて互いを解かり合えぬまま 
離れていってしまった
友よ 

あの夜 
手にしたグラスを重ね 
夢の音(ね)をたてては 
夜明けまで語り合った 
友よ 

あれから長い時が流れ 
三十を過ぎた僕は今夜も 
友の背中を見送りながら 
君との別れが残した教訓を 
独り心に呟(つぶや)いている 

( 人と人との間には、少しの隙間が必要だ・・・ 

もう会うことも無いだろう 
過ぎ去りし日の 
友よ 


今、僕の目の前には 
ふたり肩を組む「友情」の像が 
あの頃と変わらずに立っている 




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