天使祝詞 ルシフェル/The Boys On The Rock
 
し涙を流したものだ
私はただ 生命が愛しいだけなのだ
・・・ふと聞こえた
親を呼ぶ雛の鳴き声
見回すと 道路を隔てた歩道の脇に立つポプラの根元
野鳥の雛の か弱げな鳴き声
思わず手にとり なんということだ かわいそうに
手の中で あたたかい血流の脈動を感じる
ぴいぴいと鳴く雛の存在は ことのほか愛おしく感じられた
このまま放っておいたら
ネコやカラスに食べられてしまう
なんと天の父は残酷なのだ
私はあたりの見回し
ひさしぶりに
ミカエルに片翼をへし折られ 不自由なった翼を 羽ばたかせ
ポプラの梢の中腹
哀れな雛の親鳥の巣へ
打ち震える雛を 親鳥に帰してあげた

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