社会の一つとして個人を見てしまうあなたへの手紙/I.Yamaguchi
 
して
NYで同じ停電という時間を共有したことよりも
重要な話がありました
私にとっても停電は英語ができないことをかくして
コミュニケーションをする、という目的の
唯一つにしかすぎませんでした。
初めに言葉があってそこに意味が宿るように
初めに目的があってそこに「できごと」は宿るのでした

最近全てのページで一つの事件しか追わない新聞のことを考えました
例えば全ての記事でイラクを追いかけると
大体原稿用紙二百枚の紙面の中で一人くらい
「子供のオムツをうまく替えられない」とか
「子供がオレンジを嫌うんだ」
とか
「夫の不倫」
を一番の悩みにあげる人がいるように思えるので
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