弾痕/ゼッケン
 
ずくさせた
ぼくは困った。彼は不機嫌になるときまってあの錠剤を飲むからだ
それで今夜のパーティーは、ぼくの苦手な種類のものになった

彼の加速された大盤振る舞いによって、みんなひどく酔った
全員が誰かしらと身体のどこかをつなげていた
アルコールもクスリも体質に合わないぼくは
ひとりで
キッチンに引きこもって大量の食器を洗うことに専念していた
彼らの幼稚さに腹が立っていた
洗い終わったら帰ろう
おい、来いよ
彼の呼ぶ声が聞こえ、命令口調が癇に障る
ぼくはもう帰るよ
そう言うためにリビングの扉を開けると
クラッカーがいっせいに鳴らされ、ハッピーバースデーが歌われた

[次のページ]
戻る   Point(4)