道標/海月
 
人は通る事ない道だけど標識があるんだ
錆付いていて何を標しているか分からないが・・・
寧ろ、分かろうともしないままに
僕は進んだ

左右に揺さぶれらながも必死に縋り付く
皮製の手すりは肌に馴染んで怖くて
何度も手を離したがその度に自分自身を抑えきれずに
誰かにぶつかり合う

中毒者と名付けたら限がない世の定め
自己中心的な思想家や自意識過剰な評論家
彼らの目の前で感情なきマリオネットは踊る
少しでも反抗的仕草を見せたら
その糸を鋏で切って動けなくさせてやる
僕らは感情を消して愛想笑いを演じ続けている
いつの日か見返してやるんだ


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