道標/海月
暗闇の中を歩く時は自然と臆病になるんだ
月明かりや星明りでは足らないんだ
直進で走っているように感じても曲線を描いている
筆が君の頬を描くように優しさに溢れていたら
水彩絵の具で君を塗りきれる事が出来たのなら
僕は過去と現在に道標に出来るんだ
現在形は意味のない存在である
僕らは今の存在を感じる間もなく過去に行く
即ち未来に行っている
今の形を残しておくのは写真や絵が支流といえる
過去の道標
現在の道標
未来の道標
僕らの心の中には静かに道標が転がっている
僕の進む道に無法に転がる誰かの道標
一本、一本と丁寧に建たせて行く
誰かの為に何かが出来たら
僕の道標は迷わず
優しい行き止まりに当たる
そうしたら、空に上がるさ
僕の先を行く人がそうしてきたように・・・
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