fractal/あやさめ
けなくなってしまうんだ。」
「その先は、じゃあ…」
「自由に歩くしかないだろう。彼ら自身が読みを行った時に既にそれは始まっていたから。
それゆえに彼らの存在がこの台本で規定されていたことについて、彼らは戸惑いを隠せなくなってしまう。
台本を放棄したときに、同時に彼らの演じるものについて意義を失ったことから、
役を失った自由人としての『役』を、新たに求めていかないといけない。
「そのために、台本を捨てることがあるようには思えないんだけど。」
「そう。それに気づきながらも彼らは台本を捨てられない。その矛盾が……」
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