fractal/あやさめ
たちが演じていくものは、この台本という道具を僕たちが意図して書き直した、別の作品になってしまう。
いや、『すでに』それはなってしまっている。僕たちの勝手な創作だ。
そんな創作の繰り返しで……」
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「……と、ここで読みは終わってしまうわけだ」
「どうして?」
「ここで彼らは気づいてしまうんだ。彼らが読みを始めたときから、その答えは常に作品の中にはない。
台本の中にある言葉に彼らが疑問を持ち始めた時点で、その台本は用を成さなくなってしまう。
結局彼らはここで立ち止まるしかない。そこから先にはどこにも行けな
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