fractal/あやさめ
 
たちが演じていくものは、この台本という道具を僕たちが意図して書き直した、別の作品になってしまう。
   いや、『すでに』それはなってしまっている。僕たちの勝手な創作だ。
   そんな創作の繰り返しで……」
   
   <4>
   「……と、ここで読みは終わってしまうわけだ」
   「どうして?」
   「ここで彼らは気づいてしまうんだ。彼らが読みを始めたときから、その答えは常に作品の中にはない。
    台本の中にある言葉に彼らが疑問を持ち始めた時点で、その台本は用を成さなくなってしまう。
    結局彼らはここで立ち止まるしかない。そこから先にはどこにも行けな
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