Cry For The Moon 6「観賞、あるいは詩のソムリエ」/佐々宝砂
か? この疑問に気が付き、読み方のレベルがちょっとアップすると、詩と詩でないものの違いについて考えるようになる。ワインと焼酎は違うのだ、と気づくようなものだ。詩は言葉でできていて、言葉の音韻には美しい響きのものとそうでないものがあり、言葉にはリズムがある。言葉の並べ方や構成の技法次第で、詩の味わいは大きく変化する。音読したときと黙読したときでは、また味わいが違う。さらに読み方のレベルが上がって、ワインでいうところのソムリエくらいになると、素人にはどーでもいーような数々のレトリックについて蘊蓄たれたり、この詩は歴史的にみてこーゆー位置にあるなどと言い出したり、詩の作者も気づかなかったような深層の意味
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