黒田三郎詩集読書記/服部 剛
も道は僕の部屋から僕の部屋に
通じているだけなのである
群衆の中を歩きつかれて
少年は帰ってくる
毎朝眠い目をこすり、重い腰を上げて職場へ向かい、一日働いて
帰ってくる日々を思う時、「僕は何の為に頑張っているんだろう・
・・この日々がいつまで続くのだろう・・・」とふと思うのは、僕
だけではなく、多くの人が感じることだろう。今よりも若い頃は、
希望に燃える心があり、明確に目指す場所もあったが、年を重ねる
ごとに燃えていた炎はいつの間に小さい灯のようになっている。
「決まりきった毎日から抜け出したい」と燃えていた日々はいつの
間に、現状を守りながら同
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