片平と船越のあいだ/カンチェルスキス
うのはやめろって言うのに、おれに骸骨マラカスを渡して、こどもたちと戦わせようする。で、結局、おれがこどもたちを泣かせてしまう羽目になる。おれは勝負事となるとすぐ熱くなるタイプだったんだ。決まって、あいつはこう言うんだ。「泣かせることないじゃない、かわいそうね、棒や」おい、漢字が間違ってるぜと言っても聞かない。おれを睨みつけ、こどもをあやしてる。ふー。
「買うものが決まったら、さっさと外に出ようぜ」
あいつがカゴに放り込んだのは、みかんの缶詰でもなければ、骸骨マラカスでもない。売れないサラリーマンが宴会とかで小道具に使うプラスチックでできた巨乳おっぱいと五方向に分かれたコンセントだけだ。いい加
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