Cry For The Moon 1「序論のよーなもの」/佐々宝砂
 
この一連の文章は、タイトルから推測できるように原口くんの「まず、ないものねだりをしないこと」を受けた文章ではあるけれど、別に反論というわけではない。原口くんが、技術論重視の批評者を真っ向から批判しているわけじゃないということも、承知のうえ。そうそう、ついでに言っとくと、この文章は批評ではない。私はただ、道を探りたいのだ。原口くんは自分がたどり着きたい場所への道を探して「まず、ないものねだりをしないこと」と書いた、そして私は、今、自分がたどり着きたい場所への道を探して「月のために泣く」、つまりないものねだりをする。

いとうさんの言うように、原口くんの批判は、技術論的批評に向けられているというよ
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