批評ギ 家族『ミクシー』/黒川排除 (oldsoup)
 
思う。単純な、いかにも単純な方法でありながらも、それは常にミクシーという単語を意識させ続けることが出来る。最後にもう一回ミクシーと書いておくことで、各行それぞれが強くミクシーという謎の一単語と関連づけられる。またそれが謎だということを表明しておくことがこの抽象性に対する寛容さを生み出すことにもなる。ミクシーというのは存在するミクシーのことかそれとも「ミクシー」という名前の詩のことか、どちらにしても謎は謎なんだという、言い訳にも似た寛容さを引き出している。

 またミクシーという存在を知っているひとにとってはその存在をその単語をもう一度謎な部分に引き戻す。ミクシーというのはいったいなんだったであ
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