アドリブ集/藤原 実
のない女の過去の愛欲にくるう
あるところではアリスの手足 胴体より流れだし地球を抱き
あるところでは玄関をあけると ハローと牡牛がハモニカふきながらド
の音がでないのと言い
あるところでは電話ボックスで愛も憎悪も孤独も裏切りも感傷も狂気も
季節も歯も紫の髪も燃えるのだった・・・
「あるところにはあるのよねー そうそう話しはかわるけど
あのひとはコセー的ね、なんていわれるひとに個性を感じない
そもそも個性とはギャクセツで
かっこいいことはなんてかっこわるいんだろう
と歌ったひとは正しかった
きれいな女の人はトクね
なんてそうじゃない女の人は言うが
どんなにがんばっても
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