アドリブ集/藤原 実
も
表面的な美しさばかり強調されるので
才能があってしかも美しい人は鬱屈しているとかいう話だ
ちなみにわたしは表面的な美が嫌いではない
いくらきれいでもタマシイが籠もってなけりゃ
なんて力説する人もいるが
表面的なタマシイというのも存在すると思う
豹変するタマシイというのも自由でいいと思う
でもその場合美に殉じるようなカクゴが必要で
そうじゃない場合はじつに中途半端で
個性という角を持たないぶん
お肌の曲がり角を過ぎるとともに坂を転げ落ちるように美の世界から消えていく」
ふつーのひとをどこまでもみつめているとふつーでないものがあふれてくるので
なぜならほかのだれでもな
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