書きかけ/奥津 強
 
俺は、その昔、ハルシオンの精だった。多くの銀春が、飛んでは消え、俺に男根が腐る事を教えてくれたものさ。
使い古された語句には飽きた感があるな。ただ、都内、田舎、これは新鮮だった。
良い刺激を与えてくれたよ。詩って田舎者を侮辱出来るだなってな。
ハルシオン田舎者。こんなレッテルを俺が貼られた時、俺はばか田大学の劣等生だった。
幻の使い古された語句と会ったものだ。そこで田舎者は、「詩人が実は今際の老人の一言よりも、強い言葉を出せない」と聞いた。
まずいと思った。俺は、使い古された語句に、芥川氏の蜜柑に出てくる田舎娘をイメージしていたから、正直、自分が劣等生だという感覚に陶酔した。自虐的にハル
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