云ってはならないことを云ってしまおう/窪ワタル
 
ではないか?上っ面だけを眺めて「分ったつもり」「知ったつもり」になってはいないだろうか?

詩人はその「分ったつもり」「知ったつもり」の物事を捉えなおし、普段何気なくに過している「空」や「りんご」にもう一度立ち止まり、捉えなおそうとする者のことなのだ。
空を見上げて、隣の人と同じ空に、隣の人とは違うものを発見する時「詩」は生まれるのだとおもう。
その「空」は、もうありきたりな「青い空」という言葉では表し得ない、云わば「新しい空」なのだ。その「新しい空」に相応しい言葉を捜そうとするのが、詩作と言う試みなのだと俺は信じている。

俺がそう信じるに至るまでには、結構時間が必要だった。様々な「
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