「あたりまえの日々」/服部 剛
一
仕事から帰ると
僕の机の上に本の入った封筒が置かれていた
裏に書かれた名前を見ると
一昨日(おととい)「 周作クラブ 」の会場を探し歩く僕に * 1
「 〜ホテルは何処ですか? 」
と尋ね、共に集まりに参加した人からだった
ハサミで切った封筒の頭から本を取り出すと
「 あたりまえの日々に帰りたい 」 * 2
という表紙の題字が目に入った
頁(ページ)を開くと
医師に白血病の宣告を受けた主人公は
夕陽の沈んだ暗い部屋で
どこまでも深い闇に沈んでいた
二
一昨日の集まりの後
皆で入った喫茶店で
僕の向かいに座
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