僕と君と麦わら帽子と本   第五章/こめ
 
いて

本を読み始めた

それでもまだ心の隅にエリカのことが引っかかり

本に集中出来なかった

それでも時間がたつのはやく

気が付いたらもうすぐ仕事にいく時間だった

腰をゆっくり上げて歩こうとしたら

後ろから「おーい」と呼ばれた

振り返ってみると

エリカが全力でこちらに走って来ていた

そして僕の前でひざに手を当てて息をきらしていた

そしてこちらを見上げて

「やっぱり、いたんだね!仕事終わって急いで来たから

つかれたよ」

「お疲れさま、無理して来なくても良かったのに

ぼくも、もうすぐ帰るからさ」

「そうなん、が
[次のページ]
戻る   Point(3)