僕と君と麦わら帽子と本   第三章/こめ
 
ふーん」というと言葉につまり

沈黙が流れた

僕はまた本に集中した

そして、気付いたら子供たちが母親と

手をつなぎながら夕陽に消えていった

ああ、また読み過ごしたんだなと

思って背伸びをしたら

なんと、まだ彼女は隣にいた

ぼくは唖然とした

さっきの会話からは時計がないが

だいたい2、3時間ぐらいは経っていたのに

彼女はその間ずっと隣にいたようだった

すると、彼女が笑って

「どうも、ホントに本に集中して、まわりが見えてないんですね」

「ぼくが本を読んでいる間ずっと、隣にいたんですか」っと

問いかけた

「はい
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