詩集「詩遊人たち」読後感/三州生桑
 
実に「お題」のせゐであると思ふ。
俳句結社や同人が「お題」に拘泥する限り、俳句は単なる遊興文芸に堕すこととならう。
閑話休題。

それでは、詩遊人たちの詩を見て行くことにしよう。

◎望月ゆき
『てのひら、そのとなり

たとへば
わたしが沈むとき
くるくるとつむじをなでる
てのひら
がほしいのです

たとへば
わたしがつまづくとき
ついとおでこを押へる
てのひら
がほしいのです

たとへば
わたしが凍るとき
じわりじわりと頬をとかす
てのひら
がほしいのです

 (後略)』

『魚になるにはどうしたらいいか書いてないから教科書閉ぢる』

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