哀しみの夜に 〜僕を励ます十五年前の唄声〜/服部 剛
 

    私は今まで
    気まぐれな風に吹かれるたびに
    力なく道に倒れていた

    だが、夢を追うということは
    眼前に漂う暗雲を
    光の剣で貫いていくということだと知る

    私は弱く醜い独りの人間である
    本当に人を愛するということは
    容易いことではなく
    何かを生み出すということは
    苦しみが伴うことを知る

    降り続く雨の中で
    吹きつける風の中で
    びしょ濡れになりながら

    夢を追う者よ
    痛んだ胸に手を当てて

    ゆっ
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