「結婚」についての考察/服部 剛
 


昼休みの男子休憩室の扉を開くと
新婚三ヶ月のM君の後ろ姿は正座して
愛妻弁当を黙々と食べていた

「 おいしいかい?
  結婚してみて、どうよ・・・? 」

と買ってきたコンビニ弁当の入ったビニール袋をぶらさげた
「 独身貴族 」の僕は問う 

「 いやぁ〜・・・
  一人ですいすい走ってたけど、
  今では互いの足首にしっかりと赤い紐(ひも)を結ばれて
  最近はちょっと足の重たい二人三脚ですねぇ・・・」

休憩室のたった一つの窓から午後の日は射して
畳(たたみ)に伸びるM君の影は
うつむきながら箸(はし)でおかずを口に運んでいた 
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