【批評ギルド】 『愛の22』 瓜田タカヤ/Monk
 
に揺らめく光の記憶を集めにゆこう。お尻かゆい。



ビラビラの花内部は子宮、コビトタクシー模様は精子。失われてし
まった自殺者の頭脳はふたたび花の内部で新たな生命肉体と結合す
る。生命の愛だ。輪廻転生だ。無念の自殺者と妊婦の間には語るに
尽くせないドラマがあったのだった。
丘の滑り台から流れた雪解け水の春への愛は受け皿もなくただ流れ
てしまった。誰も受け入れずに流れるだけ。しかし洪水にはならな
い。ただ存在する愛。誰の興味にも止まらない。
恋人たちはカマキリの生殖器の話をした。淡々と。文字放送のよう
に。これが彼らの所有する愛の秘密だ。どうしてカマキリの生殖器
の話ばか
[次のページ]
戻る   Point(9)