批評ギルドの大覚アキラのサンドウィッチ/黒川排除 (oldsoup)
るとしたら、そこに回答は出るのではないか。では彼は病人だ。病人だから病気を患っている。病気は治療せねばならない。病気の治療には不安がつきものである。あの患者の一言には治療を望んでいるようなふしがあったかなかったか、なかったのではないか、ひょっとしたら病気に酔っていたのではないか、では自分はどうか、などという不安。そういった不安は、しかしあの逆説的な最終連で見事に否定されている。彼の強さは、そうだ強さもあるんだが、それは彼が書かなかっただけだ。それは嘔吐に耐える強さにある。彼は嘔吐に耐える。ただ耐える。嘔吐の連が終わってもなおひっそりと嘔吐は続いており、彼はついに患者である異性を吐く。そしてそのとき
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